「教えて!教養の入り口」実行委員会

あのセンパイはどんな本を読んできたのか?

「みんなの読書史」アンケートを集計しました!

5月11日に開催したイベントで、参加されたみなさんに回答していただいた「みんなの読書史」アンケートの集計結果を発表します。

書名、著者名が正確にわかったものに関してはリンクを貼ったので、タイトルを見て「おっ!」と気になるものがあったら、ぜひみなさんの新たな読書史の1ページに加えてみてほしいと思います。

アンケート結果

読書好きになるきっかけとなった一冊 世界を一歩広げた一冊 今の関心の先を端的に表す一冊
男性 『楽毅』宮城谷 昌光 『ディアスポラ』グレッグ・イーガン 『リズムの哲学ノート』山崎正和
ハリーポッターシリーズ 『分人とは何か』平野啓一郎 『語彙力こそが教養である』斉藤孝
『ホームレス中学生』田村 裕 イスラム教に関する本 『隠れ増税』山田 順
『風の歌を聴け』村上春樹 『世界がわかる宗教社会学入門』橋爪 大三郎 『おいしさの人類史』ジョン・マッケイド
『パン屋再襲撃』村上春樹 『東京β』速水 健朗 『都市のドラマトゥルギー』吉見 俊哉
ダレン・シャン 『フィルターバブル』イーライ・パリサー 『ヒットの崩壊』柴 那典
ドリトル先生シリーズ 『フード左翼とフード右翼』速水 健朗 『本屋、はじめました』辻山 良雄
『新十津川物語』川村たかし 『アイヌは原日本人か』梅原 猛、埴原 和郎 『ちぐはぐな身体』鷲田清一
『手紙』東野圭吾 『ヤノマミ』国分拓
赤川次郎の作品 『フジテレビはなぜ凋落したのか』吉野嘉高
『半径5メートルの野望』はあちゅう 『100の基本』松浦弥太郎
『プロレス少女伝説』井田真木子 『事象そのものへ』池田晶子 『入門 家族社会学』永田 夏来、松木 洋人
女性 『若草物語』ルイザ・メイ・オルコット 『容疑者の夜行列車』多和田葉子 『蜂蜜と遠雷』恩田陸
『パスワードはひ・み・つ』松原秀行 『江戸へようこそ』杉浦日向子 『さよなら神様』麻耶 雄嵩
かいけつゾロリ』シリーズ 原ゆたか 『さようなら、ギャングたち』高橋源一郎 『BUTTER』柚木麻子
『愛と幻想のファシズム』村上龍 『ガープの世界』ジョン・アーヴィング
『罪と罰』ドフトエフスキー 『知の技法』小林 康夫、船曳 建夫 『騎士団長殺し』村上春樹
パン屋再襲撃村上春樹 『寝ながら学べる構造主義』内田樹 『ヤノマミ』国分拓
西村京太郎 『モリー先生との火曜日』ミッチ・アルボム 『Whiplash』
『夢水清志郎事件ノート』はやみねかおる 『裸でも生きる』山口 絵理子 『人工知能の核心』羽生 善治
『後世への最大遺物』内村鑑三 『知覚の現象学』メルロ・ポンティ 『ファイナンスの哲学』堀内勉
『ソフィーの世界』ヨースタイン・ゴルデル 『家族無計画』紫原明子『愛するということ』
『夢で会いましょう』村上春樹・糸井重里 『般若心経講義』高神 覚昇 『赤ちゃんの不思議』開 一夫
『アルジャーノンに花束を』ダニエル・キイス 『女子の生き様は顔に出る』河崎環
性別不明 かいけつゾロリ』シリーズ 原ゆたか 『落下する夕方』『フランク・オコナー短編集』 『その後の不自由』上岡 陽江、大嶋 栄子
『ちいさいモモちゃん』松谷みる子 『ウッドストック行き最終バス』コリン・デクスター
『風と共に去りぬ』マーガレット・ミッチェル 『文明崩壊』ジャレド・ダイアモンド 『Q思考』ウォーレン・バーガー
旧約聖書物語 『ソロモンの指輪』コンラート・ローレンツ 『プリズン・ブック・クラブ』アン・ウォームズリー
『制服少女たちの選択』宮台真司 『共同研究 転向』思想の科学研究会 『数覚とは何か?』スタニスラス・ドゥアンヌ
『暗い時代の人々』

アンケート結果をふまえて

一応集計するにあたって男性・女性と分けてはみたものの、結果を見ると男女差はあまりないように思いました。しいていうなら女性は小説の割合が多めに見えますが、それもまあ誤差の範囲といった印象です。あとはやはり、「読書好きになるきっかけとなった一冊」は『かいけつゾロリ』などの児童書をあげる人が多かったようです。私が読書に目覚めた時期は実は遅くて、中3のときに読んだ村上春樹の『パン屋再襲撃』が始まりだったりするので、早くから読書の習慣があったという人は教養がありそうで羨ましいです。

そんなわけで最初の一冊に村上春樹作品をあげている人には親近感がわくのですが、始まりがムラカミの人は国内文学にはあまり関心が進まない傾向にあるのかも。その後の「世界を一歩広げた一冊」も、都市論や思想系の本をあげています。橋爪大三郎さんの本は私も好きで、『世界がわかる宗教社会学入門』『はじめての構造主義』などはとても面白く読みました。この回答をした方、なかなか気が合いそうです。

「今の関心を端的に表す一冊」では、哲学、経済、小説、社会学、科学など多彩なジャンルの本が集まりました。私自身はアマゾンの原住民族を取材したドキュメンタリーである『ヤノマミ』という本を選んだのですが、これは今自分の興味の方向が人類学に向いているためです。

「最初の一冊」「真ん中の一冊」「現在の一冊」。3冊選ぶのは難しかったと思いますが、一貫してずっと小説が好きな方、興味の先が小説になったり批評になったり哲学になったりといろいろ動いている方、それぞれの方の読書遍歴を見るのはやはり面白いです。欲をいえば、それぞれの方の家にある本棚の写真が見たい! 人は言語によって思考するし、もっといえば言語によってしか思考することができません。本棚を見ればその人のことがわかったような気になれるのは、考え方、価値観、言葉遣いなど、望む望まないに関わらず、私たちが言語の集積である本から多大な影響を受けているからでしょう。

忙しい毎日の中で、自分の興味を消化していくのだってなかなか大変なのに、そこでさらに「他人から勧められた本を読む」「他人が気に入っている本を読む」ことは、場合によってはなかなか気が進まないこともあります。そんなときはこんなふうに、他人の読書歴を見て気になった単語や著者を覚えておいたり、誰かの家にお邪魔して本棚を見せてもらったりするだけでも、頭の体操になるかもしれません。

今回のイベントが、参加してくれた方々にとってそんな頭の体操になっていれば、環世界を一歩広げるきっかけになっていれば、実行委員会としては幸いです。

改めて、皆さんどうもありがとうございました!